子を持つ親の立場から『部活動』をみていると残念な実態を感じてしまいます。
- 皆さんも子供の頃に部活で理不尽な思いをしたことはないでしょうか?
- 周りの子供達は楽しく部活動に取り組めているでしょうか?
もしも困っている子供がいるなら、是非大人が相談にのってあげて欲しいと思います。
この記事では、実体験を基に『部活動』のありかたについて考えています。
皆さんに少しのお時間一緒に考えて頂けたら幸いです。
目次
夢へ向かって歩き出した息子
この記事を書いている僕は、小学校1年~高校3年までサッカーをやっていました。その影響もあり、息子も幼稚園からサッカーを始めました。
スポーツが好きな子供で、他にも『スイミング』と『空手』をやっており、僕の息子が野球と出会ったのは2009年、今から約10年前の話になります。
この日は3月でまだ寒い夕方でした。
イチロー選手を初めて見た息子
家の前で息子とサッカーをして帰ってきて、テレビをつけると【2009年WBC第2回大会】日本VS韓国の決勝戦をやっていました。
9回裏3-2と日本がリードしていたが、追いつかれて3-3で延長戦へと突入した場面だった。
打席には『イチロー』
10回の表、ランナー2、3塁の場面。
カウント
- 2アウト
- 2ストライク
- 2ボール
1打逆転のチャンスだが、今大会のイチロー選手は打率.211と絶不調だった。
世間からの風当たりも強く『イチローを外せ』などのバッシングもメディアで取り上げられていました。
しかし、彼は、やはり天才だった!
粘りのバッティングで追い込まれるも、最後にあの『伝説のタイムリーヒットをセンター前に叩き込んで勝負を決めたのだ!
僕がこのシーンに感動していると、隣で一緒に試合を見ていた息子が僕にこう言った。
『パパ、俺、野球ってやつをやってみたい!』
『そうか!でも空手やスイミング・サッカーをやりながらだとできないよ?』そう尋ねると息子は、『野球をやりたい!』そう断言した。
息子と二人三脚の野球が始まった
思い返すと懐かしい話ですが、夢を見つけた息子の顔を今でも鮮明に覚えています。
これを機に息子は地域の少年野球チームに入部。僕もコーチとして入れてもらい、息子と二人三脚の野球人生が始まりました。
毎日、キャッチボールやバッティング練習を重ね、雨の日でも家のなかでボールが打てるように一部屋を『野球部屋』に改造するなど、本気で野球に取り組みました。

自作の野球部屋
後から思いましたが、さすがイチローさんですね。
あの日、彼はどれだけの人の心を動かしたのだろう?
「息子に夢を与えてくれてありがとうございました!」と直接会って伝えたいです。
高校生の部活動の実態が悲しすぎた
少年野球と中学野球を経験して、今では息子も高校2年になり、硬式高校野球部に所属して毎日部活動に励んでいます。
しかし、この頃から『部活』に対して僕は違和感が出てきました。
部活動の闇
- 指導者のお気に入りになれないと試合に出られない
- 頑張っている選手にチャンスを与えない
- 監督の熱が入っているのは分かるが長時間の拘束
- 監督からの行き過ぎた罵声
- 休むと嫌われる
などが浮き彫りになりました。
不安になり息子や息子の友達に聞くと『仕方がないから我慢している』という残念な答えが返ってきた。
部活動の残念な現実
3年生が卒業して新チームになり、うちの息子はレギュラー組から漏れてしまった。
「頑張れば大丈夫」と声をかけてはみるが、現実は、そうもいかないチームだった。
このチームの監督の方針は、レギュラーの9人以外にチャンスは与えないのです。
年に数回、県外に合宿に行くのだが1回の費用が5万円以上も掛かってしまうが、5日間の遠征での練習試合で打席に立てたのは9人だけである。
レギュラーから漏れた選手はチャンスすら与えられずに5日間の遠征を終えて帰ってくる。
甲子園に出るような有名校ではないのに、「いったい大金を使って何をしにいったのだろうか?」そんな疑問が浮かんでくる。
信じがたい言葉の数々
試合を見に行くと監督がエラーをした選手に心無い罵声を浴びせていた。
『お前を信じた俺がバカだったよ』
あまりにもひどい言葉です。
エラーしたくてしたわけではない選手を更に言葉で追い込んでどうするのでしょうか?
その状況を見ていた僕には『この悔しい気持ちを糧にして上手くなって欲しい』という選手に対する情熱は、残念だが伝わってきませんでした。
高校野球の監督は教員です。人に教育を教える立場の人間としては失格としか言わざるを得ない。
残念ですが、こういった『部活』における理不尽な実態は多く耳に入ってきます。
子供達の夢や時間を奪ってはいけない!
イチロー選手に刺激されて野球を始めた息子だったが、高校生にもなると、将来の仕事に対しても考えている。
息子は将来、消防士を目指しています。
今の学校は野球部から消防士になっている先輩が多くいるので、この高校を選んだ理由でもあります。
息子との話し合い
いわゆるお気に入りに入っていない息子が打席に立てるチャンスはこないだろう。
先日、息子と真剣にこのまま部活を続けるのか話をしました。
僕は息子が小さい頃から節目で『無理して野球をやる必要はない』ことを伝えてきました。
- バイトをしていろんな経験を積む
- 稼いだお金で好きな物を買う
- 友達と遊びに行く
部活を辞めてもいろんなことができます。
息子の本心
『試合に出れないのが悔しい』と目を赤くして息子は言った。
そして、自分のなかで出した答えは部活を途中で辞めると就職の際に不利になるから、我慢して部活は続けるということだった。
僕はすごく悲しかったが、息子の悔しい気持ちがすごく伝わってきた。
息子が決めた自分の人生なので、後は僕も協力するだけですが、子供達を指導する人に考えて欲しい。
指導者として認識すべきこと
- 人の夢と時間とお金を預かっている立場
- 子供達の将来を担保にして自分の欲を満たしてはいけない
- 頑張っている人にはチャンスを与えなければいけない
今一度、人に物事を教える立場の人には再認識して欲しい。
まとめ:スポーツマンシップを忘れてはいけない
『スポーツマンシップにのっとる』という言葉がありますが、指導者としてあなたはスポーツマンシップにのっとった指導・教育ができていますか?
自分の『勝ちたい』という欲が強いあまりに、人を指導するという立場でありながら大事なものを見失ってはいないでしょうか?
最近ではスポーツ界での暴力やパワハラ事件が目立つようになりましたが、おそらく今になって始まったことではありません。
昔から子供達は耐えて隠してきたのです。
甲子園などの大舞台に出てくる監督さんの中には、結果も残して子供達からも慕われる『名将』と呼ばれる人がいますが、そんな人と自分との違いを考えてみてください。
- 選手を自分の子供と思って叱っていますか?
- 自分の子供と思って褒めてあげていますか?
情熱のない自己中心的な指導は通用しません。
これを機に指導者の方には子供の立場になって今一度考えて欲しいと思い筆を走らせました。
今朝は雨。
息子はカッパを着て重いリュックを背負い、今日も自転車で部活に出かけて行きました。
何もしてあげられなくてスマン。